DTP Spider についていろいろ聞いてきたよ

FUJIFILM | 業務用製品 | 印刷 | 自動組版システム | 自動組版ソフトウェアパッケージ | DTP Spider | トップ

DTP World のある時期の表4に登場した変な 3D レンダリングされたコミカルなラガーロボ?が印象薄い DTP Spider ですが、これって何をするか分からなかったので、昨日のデジタルパブリッシングなんとかにいってきたときにいろいろ聞いてきました。

結論から言うと、このソフトは、2部構成からなっていて、Excel とか CSV とかの定型テキストを、文字の正規化処理を施して XML 要素にマッピングするツールと、自動組版用の小組みをつくって、XML 要素を、QuarkXPressInDesign に自動配置するという2つのツールに別れていて、それ単体ではフィニッシュまで制作できないが、小組みの初期配置までに文字情報の正規化が完了しており、デザインワーク(手作業)に入る前の準備をするツールという位置づけでした。

前半のテキスト正規化・マッピングツールは、画面左側が Excel の 1行目がレコード名になっているテーブル、右側が書き出される XML 要素、となっていて、1対多対応になっています。それらの間を線でつなぐことによって、レコードとXML 要素を関連づけますが、線は途中で演算子にもくっつけられるので、その演算子で、「半角かなを全角へ」とか「3桁ごとカンマ区切り」とかいう演算子とか、正規化する演算子とか、何らかの条件で分岐させたりとかして、マッピング途中の経路で文字が加工されていくっていうモデルが採用されていて(こういうのなんていうんだっけ)、プログラムがいらない、ていうけれどもマッピング自体がプログラムだろ、ってつっこみたくなりました。あと、正規表現による分岐演算子とかもありました。とにかく理系的な作りで、「前に(を付ける」ていう演算子はなくて、「(」文字演算子を用意しておいて、「2つの入力を合成する」演算子を置くことによって初めて「前に(を付ける」が実現されます。計算機的にはスマートですけれども、人間にそれ強要していいのかなって思う作りです。

いまのところ、電話番号の入力のぶれを補正する演算子っていうのはなくて、自分で演算子を組み合わせて用意する仕組みになっています。また、外部のスクリプトに文字列を投げて変換後の文字列を取得するとか、外部の Web サービスに文字列を投げて、変換後の文字列を取得するとか、そういう仕組みはないので、ものすごく損していると思いました。

後半の小組み自動組版は、DB Publisher の機能縮小版みたいな感じでしたので略。

えーとあったら楽しいだろうなーと思うけれども、楽しい人は極一部だし、前半部分の文字正規化、XML マッピングスクリプト野郎だったらできるよねーていう感じだし、後半の小組みは、既存の自動組版ソフトがあるといらないよねーていう感じなんで、ものすごく残念なソフトです。今後に期待。