オフセット印刷をプリミティブに分解して考える

import otsune from Hatena - 「水からの伝言」じゃなくて「紙からの伝言」。A4用紙に256GBのデータは入らない [d.hatena.ne.jp]

要するにカラーオフセット印刷の300dpiではA4用紙に870万個のドットしか印刷できねーよと。

原文がそうなっているんだけど、ドットって言っちゃいかん希ガス。だったら網点というのが適切か、ていうと、網点てすごい奥が深いので僕もわけわからんもん。

そんで、こういうのを考えるのには、紙に印刷するとき何が必要か、ていうのを考えるといいと思ったので、紙にインキを付けるブランケット、そのブランケットにインキを付ける刷版におけるドットを考えてみればいいと思いました。

計算

A4は210×297mmなので(ドブ、つまりわざとはみ出して作っておく領域は無視)、今時のオフセット印刷は2400dpi(dpiは、dot par inch)が標準だと思うので、ドット数は、210[mm]×297[mm]×2400[/inch]×2400[/inch]÷25.4[mm/inch]÷25.4[mm/inch]=556840473.677、つまり 5.6億ドットあるんですよね。2階調だけど

1[dot]=1[bit]、8[bit]=1[byte]

556840473.677÷8÷1024÷1024=66.4[MB]

つうことで、1bit TIFF の1プレーン分の容量がでてくる。カラーオフセット印刷ということであれば、これが今時のカラーオフセット印刷では、4プレーン分(C,M,Y,K)あるので、A4用紙1枚では、

265.5[MB]

あることになる。

製版屋さんでは

ちなみに、今時の刷版を焼く機械(CTP レコーダ)だったら、菊全判用刷版ていうサイズの刷版で、A4 が8つ入るので(8面付け)、刷版1枚で、66.4×8=531MB 分のデータが刷版に焼き付けられることになります。

刷版というのは、感材を塗布したアルミ板なんですけれども、仕組みとしては、CD-R と同じです。CTP レコーダでは、菊全判用であれば約 1000×800mm の刷版を丸め、高速で回転させてレーザーで文字や図形などはんこイメージを記録します(丸めた版を回転させる場合と、レーザー照射を回転させる場合があります)。

CTPとCD-R似ているので

このレコーダ、CD-R と同様な仕組みですから、ここ10年で、ものすごく高速化しましたし、CD-R と同様、バッファアンダーランはしていたし、CD-R と同様、評判の悪い感材屋さんがあったりしました。